口腔外科
皆さん「口腔外科」とは何かご存知ですか?
お口の中やその周囲の外科的な治療(手術)を行います。
局所麻酔で行える範囲の治療や入院を伴わない程度の
小手術を行うことをいいます。
口腔外科の中で一番皆さんがよく耳にする言葉は「親知らず」だと思います。
今回は当院の親知らずの治療について詳しく説明します。
*親知らず*
親知らずは抜かないといけないというイメージが強いですが、
普通に生えていて普通に噛んでいる親知らずは
無理に抜く必要はありません。
ただ親知らずは正しい位置に生えてくることが少なく、
横に生えたり、生えきらなかったりすることがほとんどで、
汚れがたまりやすく、お掃除しにくいので
周りの歯茎が腫れたり、隣の歯まで虫歯になることが多く、
トラブルの原因になりがちです。
ですから、腫れて周囲の骨を溶かしたり、隣の歯が虫歯になる前に、
ちゃんと生えていない親知らずは抜いてしまった方が良いです。
また、歳をとるとだんだん骨が硬くなってしまうので、
若い健康なうちに抜いてしまう方が良いでしょう。
当院では、まず一般的な平面のレントゲンを撮影し、
歯の向きや、神経との関係を診断します。
その後必要であればCTでレントゲンを撮影します。
*歯科用CT*
平面のレントゲンが主流でしたが、歯科用CTが導入されるようになり
従来のレントゲンよりも圧倒的に正確な歯科データを
得ることが出来るようになりました。
通常のレントゲン写真は影絵のようなもので、前後関係など三次元的な情報はわかりません。
その点、歯科用CTは通常のレントゲン写真違い、
骨の状態を立体的にとらえることができます。
歯科用CTは特にあごや顔面などの撮影専門に設計されているので、
あごの骨と歯の状態をより詳細に診断することが可能です。
歯の根っこの数や生えている向きも見ることができます。
また、当院のCTの1回の撮影時被ばく線量は0.1mSvです。
東京からニューヨーク間の往復飛行で0.2mSvで
胃のレントゲン検診は0.6mSvなので
少ない被ばく量で正確な診断を行うことが出来ます。
治療時間は30~60分間で行います。
まず、局部麻酔をし、麻酔が十分に効くまで時間をおきます。
抜く歯の周りを少し掃除してから
器具で力をかけていきます。
歯の生え方や骨の硬さなど個人差があり予測が難しいのですが
一般的には抜いたあとに腫れることが多いです。
腫れることは体の正常に治ろうとする反応であり、
無理に押さえる必要はありません。
腫れのピークは2日後です。
治療後は抗生剤と痛み止めのお薬を処方します。
ご自宅で出血した時用に滅菌済みのガーゼもお渡しするので、
止血にご使用下さい。
抜歯後の注意事項
血行がよくなるような激しい運動、
長時間の入浴(シャワー程度なら大丈夫です)
治療当日の飲酒などは痛みの原因になりますので控えて下さい。
食事はとっていただいても構いませんが、
麻酔が切れていないと、頬を噛みやすく、熱さも感じにくくなっているので
やけどする場合がございますのでお気をつけ下さい。
固い物、辛い物、刺激物も避けて下さい。
また、腫れたり、痛みがあるからといって氷で冷やすのもやめてください。
また、喫煙も血流が悪くなり、腫れの原因になることがあります。
治療後は治癒の経過観察するためにご来院いただきますが
10分程度です。
※当院で行っている口腔外科の治療は
当院の設備で行える設備で行える範囲の治療になります。
持病・合併症などリスクが高い場合、病院へのご紹介となることがあります。